midi:あささん(amesta)


(1) 信 心 と 礼 拝
イ)合 掌

合掌の仕方には いろいろありますが 普通は両手の指をきちんと揃え 掌をぴったりと合わせます。腕を胸に近づけず 肘を腕下から少し離して 指の先が顎下に対するようにします。合掌は礼拝の時の作法ですからまごころをこめて つましく行わなければなりません。

「右仏 左凡夫と合わす手の 中にゆかしき南無の一念」の歌の如く 仏凡一体 信心不二の妙諦(みょうたい)は 合掌の心を深めることによって得られるもので 仏法信者として最も大切な基本作法であります。

叉 合掌の姿ほど目に美しいものはありません。それは純粋無垢 まごころの表れだからであります。仏祖に対する讃仰(さんごう) 感謝の合掌はもとより 一切衆生は悉く仏性(ぶっしょう)を具えていますので 一切の人 一切のものに対しても手の合わされるまで信心を育てたいものであります。

ロ)焼 香

焼香の作法も一様ではありませんが 一般在家の方としては 勤行を始める前に行います。禅宗では右手の拇指 人差指 中指で香をつまみ 火の上にくべます。くべ方は回数にこだわりませんが 一回でよろしい。この場合左手は念珠を拇指と四指の間にかけ 胸の前に置き 香をくべ終わったら合掌して頭を深く垂れます。焼香するものが 連続的に多いときは動作を機敏にしなければなりません。

ハ)念 珠

念珠(ねんじゅ)は梵語(ぼんご)ハソバの訳です。念珠は仏名などを称える時にその遍数(へんすう)を数えるのでこの名があり 叉 数珠ともいいます。数珠は数の珠で 昔はスズとよんでいたようですが 今ではジュズといいます。数珠の数は108、44、27、18などいろいろですが これは煩悩(ぼんのう)の数を表し 数珠をつまむことによって煩悩を浄化し 悟りの境地に入ることを意味しています。十八珠念珠ならそのまま 長い念珠なら二重にして 左手拇指と四指との間にかけ そのまま右手と合掌と合掌して拝みます。この場合 親珠を左手拇指のすぐ外横の位置におき 房は外側へ垂れます。尚 十八念珠の房は紐を組み合わせたものを用い 房のものは用いません。念珠は禅宗では称名の数はを数えることはせず 礼拝の時だけでなく 身だしなみ(持戒)の法具として 葬式 法事に限らず 常に手にすることが望ましいです。 

ニ)おつとめの仕方

開経(かいきょう)の偈門(げもん)にも お経を読むことは 如来の真実義(しんじつぎ)をわからせて頂くためのものですから 素直で厳粛でなければなりません。次の諸点に注意しましょう。

●読経前に 手 口を清め 心身を清浄にして灯明 蝋燭(ろうそく)を捧げ 線香を立て焼香し 合掌礼拝し 姿勢を正し 心を調えること。
●二人以上の場合 異口同音(いくどうおん)によそごとを思わぬこと。
●「りん」を三声鳴らしてお経を始めます。
●お経には特別の場合のほか 音節をつけません。ただ呼吸する場合幾分の高低はありますが すべて音節なしで棒読みします。
●お経の終り頃 適当に合間をおいて りんを三つ鳴らし お経を終わります。終わったら更に りんを三つ鳴らし 合掌礼拝しておつとめを終わります。
●普通に読むお経
家庭でのおつとめは普通「開経偈(かいきょうげ)」「般若心経(はんにゃしんぎょう)」「普回向(ふえこう)」の順番でよろしいが 時と場合によっては 心経のほか世尊偈(普門品偈) 延命十句観音経を読んでもよい。宗門安心章は時間の都合で 一章づつでもよろしい。尚 和文のお経を用いることも結構です。


(2) 仏   壇
イ)仏壇の構造

仏壇は仏さまの御座所であり ご先祖のお住居であります。したがって仏壇は家の中心であり 私共の依り所で 仏前は修行の道場でもありますから神聖でなければなりません。自分たちの住居は立派にするが 仏壇は粗末で一向にかまわないというのでは道理に叶いません。華美な仏壇をというのではありません。自分の暮らしに相応のもので良いわけです。何より大切なことは 常にきれいにしておもりをすることです。

ロ)本 尊

禅宗では本尊さまは 一定しておりません。十三仏のうちで因縁の一体をおまつりすればよいわけですが 多くはお釈迦さまか観音さまを選びます。本尊さまは仏壇の最高壇中央に安置します。本尊は自分たちの理想のお姿であり 自分たちの清浄心(仏心)を形に現したものですから 無心で礼拝し 真心をもってお仕えしなければなりません。

ハ)位 牌

先祖の位牌は ひとり一基というのが理想ですが 夫婦の場合は一基にふたりを書き入れることもよいでしょう。叉 繰り出し位牌にして 何人かを納めることも致します。

ニ)仏壇のかざり方

お仏壇のかざり方(供養物を含む)は 以下のとおりです。
三具足 五具足の場合のかざり方がありますが 手前の香炉を中心にかざります。

●本尊さまは仏壇の最高壇中央に安置します。
●先祖位牌は 向かって本尊さまの左側 仏祖位牌は向かって本尊さまの右側です。
●本尊の手前が お茶・湯をお供えします。
●その手前が「霊供膳(りょうぐぜん)」をお供えします。
●霊供膳の左右が 菓子・果物をお供えします。
●その手前の左右が 花・燈を配置します。
●そして 一番手前正面に 香炉とその右に「りん」をかざります。

線香は長いままで一本 香炉の中央に立てます。花は 高価なものより新しいものがよく トゲのあるものは用いません。蝋燭・灯明は 最近では電気の明かりを用いている向きもありますが 燭台だけでも蝋燭にして 和蝋燭なら尚更結構です。霊膳は 命日 法事 年中行事に相当するときなどにお供えします。茶湯は 新しく 熱い湯気の昇るものを尊びます。叉 茶湯はお仏飯とともに毎日お供えします。 


(3) 供 養 の 心 得
供養物(くようぶつ)は 仏壇のかざり方のところで説明しました。六種の供養といって 水・塗香・花・焼香・飲食・灯明を捧げます。禅宗ではお墓は勿論 その他 「水」を供える場合もありますが 茶湯を供えます。塗香は用いません。これらの供養物はすべて清浄なものであることが肝要です。

供養とは「供給資養(きょうきゅうしよう)」の略で 仏さまや亡き人に真心をもってお供えし 同時にその功徳によって自分も叉 仏にまで育て上げ 養い上げられることであります。六種の供物が何を意味しているかを深く味わいたいのであります。六種は六度に通ずるのです。即ち 水(茶湯を含めて)は一切のものを潤し生かすもので 布施の孝徳に通じ 花は 花笑い 鳥歌うといわれるように和らぎの徳をもち 忍辱(にんにく:耐え忍ぶこと)にあたり 焼香は香り爽やかで じりじり燃えつづけるところから 持戒(たしなみ)と精進(はげみ)に通じます。飲食は 空腹では落ちつかず妄念のおこるところから 禅定(ぜんじょう:落ちつき)にあたります。最後に 灯明はいうまでもなく明るさですから 道理(どうり)に明るいといわれるような智慧を示しています。

これらの供養物を常に真心をこめてお供えするときは おのずから真実の幸福(彼岸)に到る徳がそなわり 会得されることでしょう。

出典:津金山海岸寺「聖典」より


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